この記事には「精通の儀」のネタバレ的な事とか、裏話とか、世界観等に関する事を記載するので、そういった事を知りたくないという方は記事を読まない事をおすすめします。
まず今回最初にモノクロ(グレスケ)漫画に挑戦しようってのが前提にありました。いつものはカラーのCG集前提で、そこでおねショタにするか、M男系にするか、熟女系にするか、ロリ巨乳にするか、NTRにするか、逆NTRにするか、浮気ものするか…そういう事を考えるわけですが、まず描けるかもわからない漫画で描けるもの…という意識が最初にありました。
それでスマホにアイデアレシピをたくさんメモってるんですけど、その中で30P前後でしっかり纏まるアイデアかつ、自分でも描けそうなものってのが今回の「精通の儀」の最初の構想みたいな感じです。
貴族の嫡男が自分付きのメイド兼乳母に精通させられる…。というストーリー。しかもそれをあくまで貴族の間で当たり前に行われている儀式の一つという設定を加えてるわけです。
さらにこのアイデアの雛形は日本に昔本当にあったという筆おろしの儀式である「褌祝」です。子供が特定の年齢になった時に近親者が筆おろしをするっていう通過儀礼のようなものですね。母だったり、叔母だったり、その他諸々あったようですが。現在はもちろん無いとは思いますが、100年前ぐらいまでは本当に一部でそういう因習があったようです。その時に褌を送るとかなんとか。今で言う下着を送るような感じなのでしょうかね。分かりませんが、儀式めいたものなのでしょう。
もし今回の作品の反応が良ければ「褌祝」をテーマにした作品も描いてみたかったですけど、今回の反応を見るにそれは叶わない事になりそうです。
それはそうと、そういうイメージを元に貴族の坊っちゃんとメイドに置き換えました。しかもメイドを熟女的な妙齢にしたのはあくまで私の好みでもありますが、その褌祝のイメージを元にしたからです、若いメイドではそこまで「指南」とかそういう事に合わないかな?という事もありましたし。
しかもコメントでも頂きましたが「なんで外国人イメージにしたのか?」ということですが、貴族で坊っちゃんは外国イメージなのに、メイドは黒髪で名前も「ユズハ」という、モロ日本人イメージの人物像なのは見てる人は少し「???」となってると思います。それには少し理由がありまして…。
時代設定や世界観としてはもちろん中世ヨーロッパから封建社会崩壊するまでのどこかの時代をベースにしてはいるものの、本当の中世ヨーロッパの封建社会の世界観というと、服装や調度品やその他諸々に「嘘が生まれてしまう」ので、自分の中で「そうでは無い」ということにして、色々と都合よく出来るパラレルワールド…もしくは異世界というふんわりしたイメージにしました。
それでメイドを坊っちゃんに合わせた外人イメージではなく敢えて、モロ東洋人にキャラデザにすることでちょっと不可思議な感じを出したつもりでした。ですが、その辺の細かい本編に関係ない世界感や細かい設定を説明する前フリを描こうとすると本当に100pになりそうな勢いでした。そもそも30P前後の漫画を目指していたので、そういう細かい部分を全部ふっとばした結果、なにやら読んでる人は「どういうこと?」となった事を思います。そういう事を気にする人もいれば気にしない人もいると思いますが、気にする人にとっては違和感が凄かったかもしれません。申し訳ございません。
しかもメイドのユズハには細かい裏設定があります。
ユズハは元々奴隷階級でした。父親は東洋から連れてこられた奴隷で、母親には淫魔の血が入っており、つまりユズハにも淫魔の血が少し流れています。淫魔は悪魔ですので、当たり前ですがその世界でも忌み嫌われる存在であったり、差別の対象でした。宗教に関する人間からは特に迫害を受けますし、そうでない一般人にも好奇の目で見られる存在です。幼少から10代ぐらいまでは、壮絶な苦しい人生を歩みました。その後紆余曲折を経て、大きな街の娼館で働くようになります。そこで容姿の良さ等もあり、高級娼婦にまで成り上がりました。その娼館のイメージは薬屋のひとりごとで知った妓女のイメージです。その娼館で様々な教養を身につけ、ユズハはその娼館でも指折りの娼婦となります。その街の領主でもあるライルの父は、最近娼館に見目麗しく頭のいい女が居ると噂を聞き、娼館に大金を払いユズハを身請けします。なぜかと言えば、自分の妻(第一夫人)が丁度妊娠してもうすぐ子供が生まれる時だったので、その子供への最初の贈り物にしようと思いついたからです。ちなみに子供が女の場合は男の子が生まれたらそちらに…と思ってた…はずです。
その世界の貴族は子供が生まれて最初に送る贈り物が「自分の精通の儀を担当もする乳母」という慣習がありました。高貴な貴族程こういう部分に拘ります。他のライバルとなる貴族連中への見栄にも繋がります。ちなみに乳母に該当するメイドはナースと呼ばれるらしいです。ですが、さらにユズハはお坊っちゃま付きの専門のメイドで、個室も与えられており、作中では「上女中」としました。
ベルフォード家の屋敷には総勢50人程のメイドや使用人が働いている想定です。ちなみに当主のライルの父には第三夫人までいて、それに妾も何人かいます。本人ももちろん精通の儀で精通し、大人になりました。その後正妻の第一夫人を娶る事になります。おそらくライルもそうなることでしょう。
娼館での妓女(娼婦)からメイドになったユズハですが、何かと(性病の問題や差別や年齢の問題など)大変な仕事である妓女から、奴隷階級というのもわかった上で自分を大金を払い身請けしたライルの父に感謝しており、そのライルの父から「息子をくれぐれも頼む」と言われ、ユズハはそれに人生を捧げる事を誓います。それが故にユズハは性格もありますが、少しライルに対して行き過ぎた愛があります。自分に子供が居ないこともあり、ライルが生まれてからずっと自分が付きっきりで育てたライルに、特別な感情を持っています。それは恋慕とかそういうものではありません。子供に対するような親愛と、主従に対する敬愛…そういうものが入り混じった愛です。
普段ユズハは淡々と仕事をこなし、あまり感情を表に出しません。ライルも自分の実の母よりも、一緒に過ごす時間は長いとはいえ、あくまで雇っている立場の主人と、召使っている身。普段食事もいっしょに取りませんし、そこまで親しく話をするような気軽な関係ではない。ライルもユズハの事は単純に「自分の身の回りを世話してくれる一番付き合いの長いメイド」という思いが一番強いぐらいです。普通の家庭でいえば家にいつもいる親戚のおばさん…ぐらいの意識でしょうか。側に居ることは多いものの、やはり家族とは一線を画すような存在。その辺もかなりややこしいですけどね。自分の生みの親である母は1人ですが、他にも第二第三夫人などもいますし、屋敷の中にはそういう他の夫人の子供もいる。もちろんメイドも使用人もたくさん働いている…。そんな環境で育つわけです。現代の日本人には想像もつかない環境でしょう。
それで作中ユズハが薄い上着一枚で部屋に入ってきた時にライルが凄く驚くシーンがあります。それはセクシーな格好だからってのも多少ありますけど、そうではなく、いつも化粧もせず、髪を上げて、メイド服に身を包んでいるユズハが、化粧をし、髪を降ろし、メイド服じゃない格好で来て、今までに見たことが全くない、まるで別人のようなユズハの姿に驚いているんです。ギャップが凄かったわけですね。それももちろんユズハは分かっていてやっています。
なんせ相手は勃起出来るかも分からない10歳になったばかりの少年。それを精通させなければならないわけで、その精通の儀を成功させるための布石の1つだったわけです。
ちなみに余談ですが、私の最も好きな漫画の一つに森薫先生の「乙嫁語り」があるんですが、乙嫁語りでは中央アジアが舞台なんですけど、その地方の女性の一部は普段髪の毛を見せない。なんなら顔も見せませんが。で、伴侶となる男性だけに見せるわけですね。その乙嫁語りではそういう長い髪という女性らしさの象徴を男性に見せて、男性はそれに対して「そそられるな!」ってシーンがあるんですね。これは凄く興味深くて。男性ってのは…まぁ女性もある意味そうですけど、「普段見えない部分を見た時に性的な興奮を覚える」というのは世界共通であるのではないかな?と思っています。日本で浴衣を着て、うなじが見えた時にドキッとする感情も「普段見えない部分が見える」から興奮するんですよね。日本では長い髪は普通にいつでもどこでも出してるので、それを見ても日本人の男性は興奮はほぼしないでしょう。ですが、"うなじ"というなんてこと無い体の1部でも、普段見えないというだけで興奮する…。だから中央アジア圏で髪を普段隠している女性の長い髪を見た時に興奮するというのは至極自然な事なんだと気付かされます。日本人には分からない感覚というわけですね。そうでなくても、肩、脇、おヘソ、太もも、足の裏等も普段見えない箇所なので、それが見えると興奮するわけです。
話を戻すと、つまりライルもずっと髪を上げている状態のユズハしか見たことがないので、髪を降ろしている姿が新鮮に映り、興奮のイチ材料になった…というわけです。「ただのメイド」じゃなくて、「性的魅力のある女性」にその場で変わったわけで…。ライルが戸惑うのもしょうがないというわけです。ライルの心境としては複雑だった事でしょう。
ちなみにユズハの想定している年齢は30代後半ぐらい。アラフォー。その世界でいえばかなり年嵩のいった女となります。ユズハがベルフォード家に来た時が20代後半ぐらいだったわけです。ちなみにライルの両親は30前と想定しているので、両親…母よりも年齢がずっと上の存在なんですね。
そして作中は、最後普通にHする感じで物語は終わりますけど、本当はもっとその先も描きたかったぐらいです。
もう描かないだろうから、ここに供養として書きますが、あの後ライルは父に「ユズハを孕ませる事が出来たら、お前の妾にしても良い」と言われます。(ユズハはあくまで乳母メイドでしかないので、ライルが正妻を迎えた後はライルの担当を外れる)そこでライルは一所懸命ユズハを孕ませようと頑張ります。そして、その後もユズハとHな日々を過ごしつつ、最終的には身籠らせる事に成功。ライルは正式にユズハを妾の一人目に…それプラス正妻ではないものの第一子をもうけて、ハッピーエンド♡という終わりにしようと思ってました。仮にそれまで描こうとすると前述の通り100pはいってしまうコースなので不可能でしたが。
ちなみに「妾」というと日本人はあまり良いイメージじゃないように感じますが、貴族家の妾は大出世中の大出世です。奴隷階級のユズハにしたら、ストリートチルドレンから大企業の重役に付くかのような大出世です。実際封建社会での貴族とそれ以外の人種はワンピースの天竜人とそれ以外のような、圧倒的に違う存在ってレベルの違いがあったようですし。一歩的に搾取する側と。される側というわけです。
…とまぁ長々を書きましたが、この作品の裏設定や世界観の話でした。
作画について
初めての漫画ですべて手探りでした。絵を描かない人にはわからない&どうでもいい話かもしれませんが、最初クリスタで描こうと思ってたんですけど、クリスタは使い慣れないのもあって、結局カラーの時と同じ線画SAI>PHOTOSHOPという工程になりました。たぶん漫画をデジタルでやってる人であんまりこういう難儀な事を敢えてしてる人は少ないんじゃないかなぁと思われます。非効率でしょうし。
それでも洋館の外観をクリスタの3Dデータから起こしたり、クリスタも僅かながら使ってはいるんですけどね。
特に黒髪のハイライト…。所謂ツヤベタっていわれる部分とかが、自分の思うようなものが全然描けず四苦八苦しました。あとは紙印刷でいうところのトーン部分、カラーで言う所の色付け部分もモノクロではどのぐらいすればいいか具合が全然分からず探り探りでした。カラーとモノクロではそれぞれ簡単な所、難しい所、メリット、デメリットあり、どっちが簡単とかどっちが難しいとか明確な事はなかったです。
最後に次回作については…未定です。頭真っ白です。もしするならまた漫画にはなるかな?とは思いますが…。もし次回作のご希望があれば下記アンケートからお願い致します。作品のご意見・ご感想などもお待ちしております。
サークルばみりおん 漸次 2023
まず今回最初にモノクロ(グレスケ)漫画に挑戦しようってのが前提にありました。いつものはカラーのCG集前提で、そこでおねショタにするか、M男系にするか、熟女系にするか、ロリ巨乳にするか、NTRにするか、逆NTRにするか、浮気ものするか…そういう事を考えるわけですが、まず描けるかもわからない漫画で描けるもの…という意識が最初にありました。
それでスマホにアイデアレシピをたくさんメモってるんですけど、その中で30P前後でしっかり纏まるアイデアかつ、自分でも描けそうなものってのが今回の「精通の儀」の最初の構想みたいな感じです。
貴族の嫡男が自分付きのメイド兼乳母に精通させられる…。というストーリー。しかもそれをあくまで貴族の間で当たり前に行われている儀式の一つという設定を加えてるわけです。
さらにこのアイデアの雛形は日本に昔本当にあったという筆おろしの儀式である「褌祝」です。子供が特定の年齢になった時に近親者が筆おろしをするっていう通過儀礼のようなものですね。母だったり、叔母だったり、その他諸々あったようですが。現在はもちろん無いとは思いますが、100年前ぐらいまでは本当に一部でそういう因習があったようです。その時に褌を送るとかなんとか。今で言う下着を送るような感じなのでしょうかね。分かりませんが、儀式めいたものなのでしょう。
もし今回の作品の反応が良ければ「褌祝」をテーマにした作品も描いてみたかったですけど、今回の反応を見るにそれは叶わない事になりそうです。
それはそうと、そういうイメージを元に貴族の坊っちゃんとメイドに置き換えました。しかもメイドを熟女的な妙齢にしたのはあくまで私の好みでもありますが、その褌祝のイメージを元にしたからです、若いメイドではそこまで「指南」とかそういう事に合わないかな?という事もありましたし。
しかもコメントでも頂きましたが「なんで外国人イメージにしたのか?」ということですが、貴族で坊っちゃんは外国イメージなのに、メイドは黒髪で名前も「ユズハ」という、モロ日本人イメージの人物像なのは見てる人は少し「???」となってると思います。それには少し理由がありまして…。
時代設定や世界観としてはもちろん中世ヨーロッパから封建社会崩壊するまでのどこかの時代をベースにしてはいるものの、本当の中世ヨーロッパの封建社会の世界観というと、服装や調度品やその他諸々に「嘘が生まれてしまう」ので、自分の中で「そうでは無い」ということにして、色々と都合よく出来るパラレルワールド…もしくは異世界というふんわりしたイメージにしました。
それでメイドを坊っちゃんに合わせた外人イメージではなく敢えて、モロ東洋人にキャラデザにすることでちょっと不可思議な感じを出したつもりでした。ですが、その辺の細かい本編に関係ない世界感や細かい設定を説明する前フリを描こうとすると本当に100pになりそうな勢いでした。そもそも30P前後の漫画を目指していたので、そういう細かい部分を全部ふっとばした結果、なにやら読んでる人は「どういうこと?」となった事を思います。そういう事を気にする人もいれば気にしない人もいると思いますが、気にする人にとっては違和感が凄かったかもしれません。申し訳ございません。
しかもメイドのユズハには細かい裏設定があります。
ユズハは元々奴隷階級でした。父親は東洋から連れてこられた奴隷で、母親には淫魔の血が入っており、つまりユズハにも淫魔の血が少し流れています。淫魔は悪魔ですので、当たり前ですがその世界でも忌み嫌われる存在であったり、差別の対象でした。宗教に関する人間からは特に迫害を受けますし、そうでない一般人にも好奇の目で見られる存在です。幼少から10代ぐらいまでは、壮絶な苦しい人生を歩みました。その後紆余曲折を経て、大きな街の娼館で働くようになります。そこで容姿の良さ等もあり、高級娼婦にまで成り上がりました。その娼館のイメージは薬屋のひとりごとで知った妓女のイメージです。その娼館で様々な教養を身につけ、ユズハはその娼館でも指折りの娼婦となります。その街の領主でもあるライルの父は、最近娼館に見目麗しく頭のいい女が居ると噂を聞き、娼館に大金を払いユズハを身請けします。なぜかと言えば、自分の妻(第一夫人)が丁度妊娠してもうすぐ子供が生まれる時だったので、その子供への最初の贈り物にしようと思いついたからです。ちなみに子供が女の場合は男の子が生まれたらそちらに…と思ってた…はずです。
その世界の貴族は子供が生まれて最初に送る贈り物が「自分の精通の儀を担当もする乳母」という慣習がありました。高貴な貴族程こういう部分に拘ります。他のライバルとなる貴族連中への見栄にも繋がります。ちなみに乳母に該当するメイドはナースと呼ばれるらしいです。ですが、さらにユズハはお坊っちゃま付きの専門のメイドで、個室も与えられており、作中では「上女中」としました。
ベルフォード家の屋敷には総勢50人程のメイドや使用人が働いている想定です。ちなみに当主のライルの父には第三夫人までいて、それに妾も何人かいます。本人ももちろん精通の儀で精通し、大人になりました。その後正妻の第一夫人を娶る事になります。おそらくライルもそうなることでしょう。
娼館での妓女(娼婦)からメイドになったユズハですが、何かと(性病の問題や差別や年齢の問題など)大変な仕事である妓女から、奴隷階級というのもわかった上で自分を大金を払い身請けしたライルの父に感謝しており、そのライルの父から「息子をくれぐれも頼む」と言われ、ユズハはそれに人生を捧げる事を誓います。それが故にユズハは性格もありますが、少しライルに対して行き過ぎた愛があります。自分に子供が居ないこともあり、ライルが生まれてからずっと自分が付きっきりで育てたライルに、特別な感情を持っています。それは恋慕とかそういうものではありません。子供に対するような親愛と、主従に対する敬愛…そういうものが入り混じった愛です。
普段ユズハは淡々と仕事をこなし、あまり感情を表に出しません。ライルも自分の実の母よりも、一緒に過ごす時間は長いとはいえ、あくまで雇っている立場の主人と、召使っている身。普段食事もいっしょに取りませんし、そこまで親しく話をするような気軽な関係ではない。ライルもユズハの事は単純に「自分の身の回りを世話してくれる一番付き合いの長いメイド」という思いが一番強いぐらいです。普通の家庭でいえば家にいつもいる親戚のおばさん…ぐらいの意識でしょうか。側に居ることは多いものの、やはり家族とは一線を画すような存在。その辺もかなりややこしいですけどね。自分の生みの親である母は1人ですが、他にも第二第三夫人などもいますし、屋敷の中にはそういう他の夫人の子供もいる。もちろんメイドも使用人もたくさん働いている…。そんな環境で育つわけです。現代の日本人には想像もつかない環境でしょう。
それで作中ユズハが薄い上着一枚で部屋に入ってきた時にライルが凄く驚くシーンがあります。それはセクシーな格好だからってのも多少ありますけど、そうではなく、いつも化粧もせず、髪を上げて、メイド服に身を包んでいるユズハが、化粧をし、髪を降ろし、メイド服じゃない格好で来て、今までに見たことが全くない、まるで別人のようなユズハの姿に驚いているんです。ギャップが凄かったわけですね。それももちろんユズハは分かっていてやっています。
なんせ相手は勃起出来るかも分からない10歳になったばかりの少年。それを精通させなければならないわけで、その精通の儀を成功させるための布石の1つだったわけです。
ちなみに余談ですが、私の最も好きな漫画の一つに森薫先生の「乙嫁語り」があるんですが、乙嫁語りでは中央アジアが舞台なんですけど、その地方の女性の一部は普段髪の毛を見せない。なんなら顔も見せませんが。で、伴侶となる男性だけに見せるわけですね。その乙嫁語りではそういう長い髪という女性らしさの象徴を男性に見せて、男性はそれに対して「そそられるな!」ってシーンがあるんですね。これは凄く興味深くて。男性ってのは…まぁ女性もある意味そうですけど、「普段見えない部分を見た時に性的な興奮を覚える」というのは世界共通であるのではないかな?と思っています。日本で浴衣を着て、うなじが見えた時にドキッとする感情も「普段見えない部分が見える」から興奮するんですよね。日本では長い髪は普通にいつでもどこでも出してるので、それを見ても日本人の男性は興奮はほぼしないでしょう。ですが、"うなじ"というなんてこと無い体の1部でも、普段見えないというだけで興奮する…。だから中央アジア圏で髪を普段隠している女性の長い髪を見た時に興奮するというのは至極自然な事なんだと気付かされます。日本人には分からない感覚というわけですね。そうでなくても、肩、脇、おヘソ、太もも、足の裏等も普段見えない箇所なので、それが見えると興奮するわけです。
話を戻すと、つまりライルもずっと髪を上げている状態のユズハしか見たことがないので、髪を降ろしている姿が新鮮に映り、興奮のイチ材料になった…というわけです。「ただのメイド」じゃなくて、「性的魅力のある女性」にその場で変わったわけで…。ライルが戸惑うのもしょうがないというわけです。ライルの心境としては複雑だった事でしょう。
ちなみにユズハの想定している年齢は30代後半ぐらい。アラフォー。その世界でいえばかなり年嵩のいった女となります。ユズハがベルフォード家に来た時が20代後半ぐらいだったわけです。ちなみにライルの両親は30前と想定しているので、両親…母よりも年齢がずっと上の存在なんですね。
そして作中は、最後普通にHする感じで物語は終わりますけど、本当はもっとその先も描きたかったぐらいです。
もう描かないだろうから、ここに供養として書きますが、あの後ライルは父に「ユズハを孕ませる事が出来たら、お前の妾にしても良い」と言われます。(ユズハはあくまで乳母メイドでしかないので、ライルが正妻を迎えた後はライルの担当を外れる)そこでライルは一所懸命ユズハを孕ませようと頑張ります。そして、その後もユズハとHな日々を過ごしつつ、最終的には身籠らせる事に成功。ライルは正式にユズハを妾の一人目に…それプラス正妻ではないものの第一子をもうけて、ハッピーエンド♡という終わりにしようと思ってました。仮にそれまで描こうとすると前述の通り100pはいってしまうコースなので不可能でしたが。
ちなみに「妾」というと日本人はあまり良いイメージじゃないように感じますが、貴族家の妾は大出世中の大出世です。奴隷階級のユズハにしたら、ストリートチルドレンから大企業の重役に付くかのような大出世です。実際封建社会での貴族とそれ以外の人種はワンピースの天竜人とそれ以外のような、圧倒的に違う存在ってレベルの違いがあったようですし。一歩的に搾取する側と。される側というわけです。
…とまぁ長々を書きましたが、この作品の裏設定や世界観の話でした。
作画について
初めての漫画ですべて手探りでした。絵を描かない人にはわからない&どうでもいい話かもしれませんが、最初クリスタで描こうと思ってたんですけど、クリスタは使い慣れないのもあって、結局カラーの時と同じ線画SAI>PHOTOSHOPという工程になりました。たぶん漫画をデジタルでやってる人であんまりこういう難儀な事を敢えてしてる人は少ないんじゃないかなぁと思われます。非効率でしょうし。
それでも洋館の外観をクリスタの3Dデータから起こしたり、クリスタも僅かながら使ってはいるんですけどね。
特に黒髪のハイライト…。所謂ツヤベタっていわれる部分とかが、自分の思うようなものが全然描けず四苦八苦しました。あとは紙印刷でいうところのトーン部分、カラーで言う所の色付け部分もモノクロではどのぐらいすればいいか具合が全然分からず探り探りでした。カラーとモノクロではそれぞれ簡単な所、難しい所、メリット、デメリットあり、どっちが簡単とかどっちが難しいとか明確な事はなかったです。
最後に次回作については…未定です。頭真っ白です。もしするならまた漫画にはなるかな?とは思いますが…。もし次回作のご希望があれば下記アンケートからお願い致します。作品のご意見・ご感想などもお待ちしております。
サークルばみりおん 漸次 2023